INTERVIEW
代表インタビュー
2014年の設立から、短期間で預託飼養頭数約2,000頭!
日本トップクラスの預託牧場となった背景とは
代表取締役井上 元治
「前職は大工でした」
井上社長
もともとは、大工を10年弱やっていました。牛舎の新築や増築、修繕なども手掛ける機会もありました。
その後、縁あって町内の育成牧場で働き、初めて酪農に触れました。そこで育成に関して数年間勉強させていただき、さらに踏み込んだチャレンジをしてみたいと思い、2014年に自宅の側に自分で牛舎を建てました。
インタビュアー
2014年の設立当初から、育成牧場として、このぐらいの規模感まで目指すというビジョンはあったのでしょうか?
「酪農というお仕事は魅力的で、チャンスがあると若者に伝えたい」
井上社長
創業当初はホントつらかったです。上手くいかないことも多く、何度も壁にぶち当たりましたが、1つ1つの出会いを大切にして、信用を少しづつ積み重ねていった結果が今の結果だと思っています。
1頭1頭の牛をしっかり育てあげた結果、紹介をいただく。その繰り返しで口コミが広がっていき、今の規模まで成長させていただきました。
今は、酪農には魅力が沢山あって、チャンスがある業界だと若者たちにもっと知ってもらいたいという思いから、もっと規模拡大していきたいと思っています。
酪農業界にもっと若い人達が入ってくることが持続可能な酪農につながり、それが酪農業界への恩返し、地域社会への貢献につながると考えているので。
インタビュアー
本州から預かっている牛が半分以上とお聞きしました。
「健康で丈夫な理想的な牛に育ててお戻しする」をモットーにしています。
井上社長
ルルランで育った牛は、長距離移動のあとに到着しても、お返しした牧場の餌を食べて、元気にしている。と口コミが広がって、今では全体の約6割が本州からお預かりしている牛です。
北海道の預託牧場から本州の牧場までお返しするとなると、やはり移動で1泊2日とかかかってしまいます。通常であれば牛は、ストレスや疲れで「へたって」しゃがみこんでしまいます。
ルルラン牧場では「健康で丈夫な理想的な牛に育ててお戻しする」をモットーにしているので、まずは栄養をしっかり蓄えてもらえる身体づくりのために、育成の際に第4胃袋までしっかり使って餌を食べられるような習慣を、牛に身につけてもう工夫をしています。
牧草にもこだわり「長い牧草」と「短く刻んだ牧草」をまぜて給餌しています。長い牧草だけだと胃袋に隙間が多くできてしまうんですが、細かい牧草はその隙間に入っていくので、胃袋をしっかりといっぱいにできます。また配合飼料に頼らず牧草をしっかり食べて育っているので、預けて頂いた牧場にお戻しした後も餌を選り好みしない牛に育ってくれます。
インタビュアー
ルルラン牧場では、牛が自由に動き回っているのが印象的ですが。
「広いパドックで自由に動き回って、足腰も丈夫に育ってくれます」
井上社長
『牛がされたらウレシイだろうな』を基準としてお世話をしています。
「動きまわれた方が、心身ともに健康で元気でいられるだろうな」と考えて、牛が自由に動き回り、自由に寝ることができるフリーバーン牛舎で飼養しています。広いパドックがあるので、ストレスのない快適な空間で遊ぶことができて、足腰も丈夫な牛に育ってくれます。
「食べるものは身体に良いものがウレシイだろうな」と考えて、土づくりからこだわった牧草、天然の湧き水など、身体に良いものをあたえることで、美味しそうに食べてくれて、丈夫に育ってくれています。
「目をかけてもらった方がうれしいだろうな」と考えて、牛見(観察)を大切にしています。とにかく観察、時間が出来たら観察、すべての仕事が終わった後に、また見回りをしています。この牛見で、起こりうる問題や事故を未然に防ぐことができています。
インタビュアー
牛舎が16棟あるとお聞きしたのですが、すべて手作りなのでしょうか?
「16棟の牛舎すべて手作りです」
井上社長
設計、図面、溶接、板金、建設など全て自社でやっています。餌を食べるときに牛を固定する連動スタンチョンなども自社で作っています。自社で作ることで細部にまでこだわれるのでメリットは大きいです。
インタビュアー
今後も規模拡大を目指していくとのことですが、どのようなスタッフとお仕事をされたいと考えていますか?
スタッフ全員が「自分の意思を持って行動する」そんな集団にしたい
井上社長
自分自身が大事にしていることが「自分の意思を持って行動すること」です。
なので、スタッフにも「自分の意思を持って行動すること」ができるようになってもらいたいです。
自分で決めて、決意して動く。本気で考えて動くから、次の打ち手が見えて来る。あとは、実行にうつしてただヤルだけです。
こう考えると仕事は凄くシンプルになり、納得して無心に打ちこみやすくなってきます。
酪農は本当に魅力的なお仕事です。チャンスが沢山あります。そのチャンスを自分のものにできる人は、自分の意思を持って決断した人だけなのだと思います。
酪農という業務を通じて、自立しあい、お互い成長していければと思っています。
標茶町から、一緒に日本の酪農業界を盛り上げていきましょう!標茶町は町をあげて移住をサポートしてくれています。ぜひ安心してお仕事をスタートしてみてください!
インタビュアー感想
「1個1個の信用を大切にした結果が今につながっている、牛が喜ぶことを1つ1つ着実に行動に移したら口コミが広がっていった。と地道な努力の積み重ねが2000頭につながった」と、とてもパワフルに教えていただきました!
短期間での成功のノウハウを聞こうと安易に考えていた自分が恥ずかしくなりました、、、
「1棟目の牛舎を、遠方に借りるのではなく、自宅の側に建てたのも、お預かりした牛に何かあったらすぐに駆け付けられるようにが理由だから」と当たり前のように語る井上社長。牛への愛情と、お預かりしている牛への責任感がものスゴイなと感じました!
井上社長のスピリットが、スタッフさんに引き継がれているのか、ルルラン牧場のスタッフさんは明るく元気な方々が多く、これからも全国の酪農家さん方のサポートをすべく、ルルラン牧場が預託牧場の業界をけん引されるのであろうと強く感じました!
忙しい中、丁寧にインタビューを受けてくださり!井上社長ありがとうございました!
インタビュアー
異業種からの転身とお聞きしました、なぜ預託牧場をはじめられようと思ったのでしょうか?